日々漫画について、主に作品個々についての感想をつらつらと書いていく予定です。
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【漫画単行本感想】うすた京介『武士沢レシーブ』
『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』で文字通り一世を風靡したうすた先生の連載2作目。単行本全2巻と非常に短命に終わった作品ですが、この漫画が忘れられない方も実に多いのではないでしょうか。
なんと言っても、名探偵がいるから殺人が起きるんじゃねーか? 的なヒーロー者の悲しい構造をぶった切った第1話冒頭の、主人公武士沢光沢の名台詞は最強。
「平和だなぁ…」
「平和ってステキだよホントに…!」
「オレ絶対守ってみせるよ この平和!」
「だからもう…早く乱れろよ平和…!」
この第1話の時点で、僕にとってはマサルさんを超えました。ジャンプを手に持ちながら死ぬほど笑ったのを今でも鮮明に思い出せます。立ち読みでした。迷惑ですんません。
しかし、ここら辺の微妙な機敏が子供たちには伝わらなかったのか――と、ここで少し話を逸らします。
漫画が完全に日常に根付いている昨今、漫画から卒業する必要を感じない大人が年々増えていくのは間違いありません。僕も死ぬまで読むでしょうし。で、ただ読み続けるだけじゃなくって、少年の頃に所謂少年誌を読んでいて、今もそのまま読んでいる僕みたいな20代後半の人間とか、今後も明らかに増えていくに違いありませんし、雑誌作りにおいても、少年以上の年齢層について何も考えられていない、ということはありえないでしょう。極端な例ですが、『To LOVEる』は子供より大人の方が興奮してそうだし、『HUNTER×HUNTER』も、ある程度年齢層が上の方が、その魅力をしっかりと咀嚼できるように思いますし。
しかし武士沢のやっていたおよそ10年前は、僕も当時高校生くらいの年齢でしたが、まだ、ジャンプという雑誌は、所謂少年たちのものであったように思うのです。
閑話休題。
そんなわけで、武士沢の真の魅力はむしろ青年誌のメインターゲット層などに強く響くものであったように思うのですが、アンケート至上主義の週刊少年ジャンプにおいて、あえなく打ち切りとなってしまったのです。
先述の名台詞に限らず、ヒーローものという我が国における一大フォーマットを換骨奪胎し、笑いという感情の奥底にどうしてもある哀しみに肉薄してみせたこの作品を理解するためにも、やっぱり僕より下の年齢層だとちょっと弱い気がするなあ。仮面ライダーが改造人間で結構悲しい戦いをしていることとか、あんまり知らないけど、ただ仮面ライダーかっこいい、的な認識を持っている少年たちって結構多い気がしますし。
僕は一流のギャグ漫画家は、敢えてそれをしないだけで、人を泣かせるような話はいくらでも書けるのだけれど、人を笑わせることこそが最も素晴らしいことなのだと信じてそれをせずにいるだけだと考えているのですが、うすた先生が、そんな正統派のストーリーテリングをやらせてもすごいよ!! な方であるという片鱗をチラ見させてしまった、大変危険な名作であると思います。ジャガーから入った人で、マサルさんしか遡っていない人とか結構多そうな気がするのですが、是非読んでいただきたい。
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なんと言っても、名探偵がいるから殺人が起きるんじゃねーか? 的なヒーロー者の悲しい構造をぶった切った第1話冒頭の、主人公武士沢光沢の名台詞は最強。
「平和だなぁ…」
「平和ってステキだよホントに…!」
「オレ絶対守ってみせるよ この平和!」
「だからもう…早く乱れろよ平和…!」
この第1話の時点で、僕にとってはマサルさんを超えました。ジャンプを手に持ちながら死ぬほど笑ったのを今でも鮮明に思い出せます。立ち読みでした。迷惑ですんません。
しかし、ここら辺の微妙な機敏が子供たちには伝わらなかったのか――と、ここで少し話を逸らします。
漫画が完全に日常に根付いている昨今、漫画から卒業する必要を感じない大人が年々増えていくのは間違いありません。僕も死ぬまで読むでしょうし。で、ただ読み続けるだけじゃなくって、少年の頃に所謂少年誌を読んでいて、今もそのまま読んでいる僕みたいな20代後半の人間とか、今後も明らかに増えていくに違いありませんし、雑誌作りにおいても、少年以上の年齢層について何も考えられていない、ということはありえないでしょう。極端な例ですが、『To LOVEる』は子供より大人の方が興奮してそうだし、『HUNTER×HUNTER』も、ある程度年齢層が上の方が、その魅力をしっかりと咀嚼できるように思いますし。
しかし武士沢のやっていたおよそ10年前は、僕も当時高校生くらいの年齢でしたが、まだ、ジャンプという雑誌は、所謂少年たちのものであったように思うのです。
閑話休題。
そんなわけで、武士沢の真の魅力はむしろ青年誌のメインターゲット層などに強く響くものであったように思うのですが、アンケート至上主義の週刊少年ジャンプにおいて、あえなく打ち切りとなってしまったのです。
先述の名台詞に限らず、ヒーローものという我が国における一大フォーマットを換骨奪胎し、笑いという感情の奥底にどうしてもある哀しみに肉薄してみせたこの作品を理解するためにも、やっぱり僕より下の年齢層だとちょっと弱い気がするなあ。仮面ライダーが改造人間で結構悲しい戦いをしていることとか、あんまり知らないけど、ただ仮面ライダーかっこいい、的な認識を持っている少年たちって結構多い気がしますし。
僕は一流のギャグ漫画家は、敢えてそれをしないだけで、人を泣かせるような話はいくらでも書けるのだけれど、人を笑わせることこそが最も素晴らしいことなのだと信じてそれをせずにいるだけだと考えているのですが、うすた先生が、そんな正統派のストーリーテリングをやらせてもすごいよ!! な方であるという片鱗をチラ見させてしまった、大変危険な名作であると思います。ジャガーから入った人で、マサルさんしか遡っていない人とか結構多そうな気がするのですが、是非読んでいただきたい。
タグ : うすた京介 武士沢レシーブ セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん
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ヒーローとしての武士沢








